『サピエンス全史』の書評の評価の分かれどころは読者の人生観によるみたい!
NHK「クローズアップ現代」で特集されてから、
大ベストセラーになっている『サピエンス全史(上)(下)』。
そもそもNHK「クローズアップ現代」で特集される時点で、
あるフィルターがかかっていると眉唾ものではある気がしますが・・・。
そんな『サピエンス全史』の書評を紹介します。
一つは、まぁ書評メルマガを発行しご本人も著作のある土井英司さん。
氏のメルマガ『土井英司のビジネスブックマラソン』で何と2回にわたって
取り上げられていました!
人間が芸能人のスキャンダルに夢中になる理由、宗教や国家やお金
が力を持った理由、われわれが今時代の変化に戸惑っている理由な
どが、この一冊でスッキリ説明されています。
問題を解決しようと思うなら、今よりも大きな視点を手に入れること。
そういう意味で本書は「買い」の一冊です。
とかなり好意的です。
もう一方は、雑誌『ザ・リバティ 2017年3月号』の書評コーナー
主張は、説得力があるように思える。だが、国家、法律、貨幣、 果ては宗教や神も「虚構」だとするのは、いささか倣慢ではな いか。狩猟時代より一人ひとりは貧しくなったとして、農耕 文明を「史上最大の詐欺」、資本主義を「強欲と合体した無関 心で多くの人を死に至らしめた」と評するのは、発展に尽くし た偉人の努力を軽視し、人間の尊厳を販受める。
しかも、人類が虚構を共有できる知恵を得たのは、まった くの偶然だという。総じて、神仏の存在、宗教の否定につな がる考え方に満ちており、空しさが募る。
とこちらの評価は辛め。
おそらく評者の世界観、人生観の違いが評価の分かれ目になっているように思います。
私個人としては、『サピエンス全史』は大きな視点ではなく、
閉じた世界へのいざないではないかと感じます。
上巻の目次
第1部 認知革命
第1章 唯一生き延びた人類種
第2章 虚構が協力を可能にした
第3章 狩猟採集民の豊かな暮らし
第4章 史上最も危険な種
第2部 農業革命
第5章 農耕がもたらした繁栄と悲劇
第6章 神話による社会の拡大
第7章 書記体系の発明
第8章 想像上のヒエラルキーと差別
第3部 人類の統一
第9章 統一へ向かう世界
第10章 最強の征服者、貨幣
第11章 グローバル化を進める帝国のビジョン