百年法 山田宗樹:岡田准一推薦で映画化すればヒット間違いなし!
ずっと読みたかった、山田宗樹著『百年法』。
「嵐にしやがれ」で櫻井翔クンに演じて欲しいと岡田准一さんが紹介したことで話題になった「百年法」。
第66回日本推理作家協会賞も受賞している名作です。
百年法のあらすじ
舞台は原爆を6発落とされて壊滅的なダメージを受け、
そこから立ち直ってきた日本共和国。
不老化処置(HAVI)を受けると、受けた年齢のまま肉体は歳をとらなくなる。
二十歳で受ければ病死や事故にあわない限り、二十歳の肉体のまま永遠に生きられるという技術。
その不老化処置(HAVI)をめぐり、人類の新陳代謝のためにも百歳になると死ななければいけないという百年法。
その法案をめぐっての政治家、官僚、国民の様々な思惑が交錯する。
百年法の名セリフ
「いまのこの国はダメだ。国民も、政治家も、経済人も、ぜんぶダメだ。この国は、根
底から作り直さなければならない。でなければ、本当に消滅してしまう」
「民衆に任せていては、この国を蘇らせることは、もはや不可能。今回の国民投票で、
それだけは、はっきりした。いま、この日本共和国に必要なのは、時代を動かすリk料を
持つ、たった一人の指導者なのだよ」
このセリフは正に今の日本にも当てはまるのではないでしょうか?
2015年の安保法案の成立をめぐっての大衆の動きを見ていると本当に近い将来、
日本という国がなくなるのではないかという不安を感じました。
現実の日本には、『百年法』のような強力なリーダーが出現しないのが残念です。
『百年法』の中でも、国内に内乱が起きれば、
中国などが攻めてきて日本は滅びるというセリフが何度もでてます。
著者の山田宗樹さん自身もそういう危機感を持っておられるのかもしれません。
百年法の不思議
私は『百年法』を読みながらずっと気になっていることがありました。
永遠の生命と死をテーマにしているにもかかわらず、
宗教家がまったくでてこないことです。
死の専門家といえば宗教家です。
しかし、不老化処置(HAVI)についても、国家が国民を殺すという百年法についても
宗教家がどういう考えを持っているのかがまったく書かれていません。
著者が宗教は政治に関わるべきではないという考えなのかもしれません。
あるいは最後のどんでん返しがあることで、神の意志を現したのかもしれません。
百年法(上) |