『任侠浴場』今野敏 感想とあらすじと名言

今野敏の人気シリーズ『任侠浴場』の感想
本当に入ればトラブルの時には是非お願いしたくなるような阿岐本組。
今度は、公衆浴場の経営危機を救わんと乗り出します。
日本らしさとは何か、本当の休息とは何かを考えさせられる心温まる作品。
そして、建設業、悪徳刑事の利権にも切り込みます。
⇒『任侠浴場』
『任侠浴場』の名言
社会に出ると様々なシーンで上座はどこで誰をそこに座らせるか悩みます。
瞬時にその場の序列を見極めるのも極道の仕事のうちだ。
一事が万事だ、と阿岐本に言われたことがある。
その場で誰が一番偉いかを見極めるのがシノギのコツだ。そして、その場で誰が一番強いかを瞬時に見抜くのが喧嘩のコツだ。
シノギも喧嘩も同じだと、阿岐本は言う。日村は長年この稼業を続けてきて、その言葉がいかに正しいかを痛感していた。p.10
面接や営業に行くとき大事。
実際は1,2分ぐらいは早い方がいいかもだけど。
他人様のお宅だ。時間前にお訪ねしちゃ失礼だ。かといってお待たせするわけにもいかねえ。時間きっかりに行くのが礼儀だ」 p.91
これなんか至言。
素人のモンスタークレーマーは限度ってものを知らないからたちが悪い。
今どきの親はとんでもないらしい。運動会の勝ち負けを決めるのがいけないとクレームをつけると聞いたことがある。
それを受け容れる学校があるというのだからたまげる。
そんなイチャモンは、昔はヤクザの専売特許だった。p.85
最近の若者はグレてもなかなかヤクザに成れないらしい。
ヤクザの世界の厳しい躾に耐えられないからだとか。
躾のない暴力が全ての世界に行ってしまう。
何時に寝ようが、六時には目が覚める。ゲソ付けしたときに厳しく躾けられた名残だ。
寝不足だの酒が残っているだのといった、腑抜けたことは言っていられない。目覚めたときから気合いが入っていなければならない。
本物のヤクザは気合いが違う。だから、たいていの素人は言いなりになってしまうのだ。p.199
これも事実のような気がします。
「ヤクザはどんな小さなことにも、必死で頭を使います。イチャモンつけるのにも、必死なんです。
それに対して素人はいい加減な対応をなさる。素人がヤクザにかなわないのは当然なんです。
もし、素人の皆さんが必死で頭を使って対抗してきたら、私ら上がったりですよ」p.326
昔は、体罰も辞さない教員が大勢しました。
今はモンスターペアレンツを恐れて生徒のしたい放題。
家庭でもろくな躾をしない親が目立ちます。
子連れの親がスタバで平気でイスを引いてギィギーッと大きな音を立ててます。
そんな親がスタバで子供に勉強させているのだから笑っちゃいます。
ヤクザは物事を先延ばしにしない。できることは今やるのだ。
若い頃からそれを徹底的に仕込まれる。「ぐずぐずするな」と鉄拳制裁を食らいながら体で覚えるのだ。これにまさる教育はない。体の奥に染みついた習慣は死ぬまで変わらない。p.336
⇒『任侠浴場』