感想・書評

『聖なるズー』 濱野ちひろ 動物性愛者とは?

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『聖なるズー』よりも著者の恋愛観の方が気になる

「愛がわからない」
「セックスがわからない」

 

動物性愛者なる人達がいて、そういう人々についてのノンフィクションということで興味を持って読み始めた。

なのにに、プロローグでいきなり語られる著者の過去の経験を読んで????となり先に進めない。

 

プロローグには著者である濱野ちひろさんがなぜズーを研究するに至ったかということが書かれている。

著者は19歳~22歳にかけて東京で大学生として暮らしていた。

そこでパートーナーの男性からの性暴力を含む精神的、肉体的暴力を振るわれていたとカミングアウト。

暴力に耐えかねて裸足で逃げ出したとか警察に通報したこともあるらしい。
なのに、大学を卒業し就職しても関係を続け挙句の果てにある目論見からその相手と結婚する。

 

こうなるとちょっとしたミステリー小説のようで

私にとっては動物性愛者(ズー)以上に、著者のことが気になる。

 

なぜ逃げなかったのか?
なぜ関係を断ち切れなかったのか?

 

著者は片親でもなく、おそらく貧しい家庭で育ったわけでもない。
育児放棄で育って自己肯定感が低くて暴力男にでも依存してしまっていたのだろうか?
もしかしたら実家が厳格で学生の身でありながら男と暮らし、

しかもその男に暴力を振るわれているなんてことが言い出せなかったのか?

 

その結果

「愛がわからない」

「セックスがわからない」
となる。

しかし、そもそもセックスってわかるものなの?
世間の人はみんなわかっているのだろうか?

 

私はそもそも考えたこともないので辞書で定義されているような回答しか思い浮かばない。

とまぁこんなことを考えていたらもはや動物性愛者どころではなくなり

DV被害にあった女性の心理について知りたくなってしまった。

聖なるズー

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