『世界情勢のきほん』池上彰著は確かにきほんがよくわかるけど 感想
『世界情勢のきほん』池上彰著の感想
池上彰氏が執筆当時までに訪れた世界86カ国の中から
世界情勢を理解する上で欠かせない国々(地域)をざっくり紹介。
・インド
・中国
・ロシア
・フランス
・イギリス
・ドイツ
・グローバルサウス
・ブラジル
・アメリカ
これらの国々(地域)を各1章設けてランドパワーとシーパワーという地政学的な観点も含め紹介しています。
各章のタイトルの裏にその国の言い分のようなことが書いてあるのですが、
この文章は著者である池上彰氏の主観なのか世間一般の共通認識なのかよくわかりません。
世界一の人口を誇るIT大国インド
まずはインド。
いきなり池上彰氏の偏見とも思える記述から始まります。
インドは「世界最大の民主主義国と自称していますが、ロシアによるウクライナ侵攻に対し、
国連で非難決議が採択された際に棄権しています。つまりロシアを避難していないのです。
それどころかインドはロシア産の石油を大量に安く買い上げています。欧米各国がロシアに対する経済制裁として石油の購入を中止したことで、困っているロシアの足元を見て安く買い叩いているのです。これで果たしてインドは「民主主義国家」と言えるのでしょうか。p.27
インドとロシアの関係の歴史的な経緯はこの後に記述はされていますが、
ロシアに対する経済制裁に加わらないからといって
「「民主主義国家」と言えるのでしょうか」
というのはいかがなものでしょうか。
この書籍が発売されたのは奥付けによると2023年10月2日。
海外ではウクライナへの支援疲れもで始めているにも関わらずこの記述です。
日本の政治家や保守派と呼ばれる人たちもずっとロシア叩きが主流でした。
しかし、日本の国益を考えた場合にアメリカに追随して同じ用にロシアを制裁し続けることが正しいのでしょうか?
2023年はイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まり、
最悪第三次世界大戦へ発展、あるいはホルムズ海峡封鎖などの可能性が言われています。
もしそうなったときに日本に原油が入らなくなります。
そうなったときにロシアに泣きついて石油を輸入することになるのか、
アメリカが日本に向けて輸出してくれるのか・・・。