朝井リョウ『正欲』の感想 はたしてつまらない小説なのか?
朝井リョウ『正欲』の感想
朝井リョウの『正欲』を読んだきっかけは、2023年6月16日にLGBT理解増進法が成立したことに怒りを絶望感を抱えていたときに広告をを見たこと。
「読む前の自分には戻れない」
と大仰なことが書いてあった。
それに試し読みを読んでみたら面白そうだったから。
結論をいえば私は面白かった。
でも、書店員や広告で感想を寄せているプロ?の方々のように衝撃を受けることもなく凄い内容でもない。
正直言って映画では新垣結衣さん演じる桐生夏月と磯村勇斗さんが演じる佐々木佳道、
佐藤寛太演じる諸橋大也の性癖がこの人たちが思っているほど異常には思えないし拒絶反応もない。
こんなことぐらいで死を考えるほど生きづらくなるというのはまったく共感できない。
まぁ作中で設定されている性癖が実際にあるのかどうかも知らんけど。
試しにYou Tubeとエ●動画サイトで検索してみましたがそれらしき動画はありませんでした。
You Tubeにはもちろんふつうの噴水とかはありますが対して再生回数もありませんでした・・・。
桐生夏月は多様性を口にする人たちのことをおめでたいと罵るが、
こんなことで生きづらいと思っている桐生夏月こそおめでたいと思う。
彼らの性癖に比べたら犬しか愛せないとかいう人なんてどうすんの?
って思ってしまう。
LGBT理解増進法の成立を願って多様性とかいっているLGBTQの人たちは
自分たちの想像外の性癖を持つ人に対しても自分たちと同じように保護してあげてといえるのでしょうか?
私も個人的にはフェチな部分もありますがそれは日常的に目にする光景なのとそ
れによって興奮するというほどでもないので苦にはなりませんがたまに動画や画像検索はすることはあります・・・。
正義を貫く人の孤独
『正欲』の中で私に一番近い人物を選ぶとしたら稲垣吾郎演じる検事の寺井啓喜かもしれない。
父親として、夫として、検事としていろいろな「~べき」に凝り固まって
人の考えを最後まで変えることができず大切なものを失ってしまう。
佐々木佳道(磯村勇斗)の取り調べや、桐生夏月(新垣結衣)への聞き込みで
二人がともに「いなくならないからって伝えてください」と相手に伝えてくれるようにと話すことに違和感をもつのにスルーしてしまう。
ドラマHEROでキムタク演じる検察官・久利生公平ならきっとそこから真相にたどり着いただろうと思う。
後輩検事の越川は若いからか柔軟性があって寺井啓喜(稲垣吾郎)が
気づきもしないことに気づいてフォローしようとするけれど寺井啓喜(稲垣吾郎)に無視されて終わり。
東野絢香が演じる神戸八重子は乙女すぎる
神戸八重子(東野絢香)は自分の外見にコンプレックスを持っていてかつ男性観が歪んでいる。
高校生のときに興味本位で兄の留守中に部屋にしのびこみ
パスワードを解除してまでPCをを覗いてそこに表示されたエ●動画のタイトルを見たことがトラウマになって男性恐怖症?になる。
どんだけ乙女なの?いつの時代の人?って感じです。
いまやTwitterで検索すれば自分の父親ぐらいの歳の男性とお金で関係を持つ10代の女性がゴロゴロいるというのに。
『正欲』の名言
自覚してるもんね。自分たちが正しい生き物がないって
文庫p.198
こういう謙虚さが欲しい。
多様性、~中略~
想像を絶するほど理解しがたい、直視できないほど嫌悪感を抱き距離を置きたいと感じるものには、しっかりと蓋をする。そんな人たちがよく使う言葉たちです。 文庫版p.9
自分も含めてまさにそう思う。
もし将来的に宇宙人が地球にやってきて地球人と恋におちたらLGBTQの人たちのように権利を主張するのだろうか?
名優ロビン・ウイリアムズ主演の『アンドリュー』はアンドロイドと人間の婚姻を認めるかどうかというお話だった。
正欲 まとめ
作中のことだけかもしれないけどYou Tubeのコメント欄に
一見普通の言葉でありながらある性癖の人にはフックとなる言葉があるというのは新鮮な驚きだった。
何が正しいかを本気で考えるなら宗教抜きには無理。
仏教なら八正道という反省法があり
見方、考え方、言葉などが正しかったかと反省する。
そのために仏法を学んで正しさを学んでいく。
世界宗教の多くは同性愛や獣との●交を認めていない。
そこには神の意図があるということをもう一度人類は思い出さないといけないと思う。