カラフルアニメ版の感想に多い違和感を解決する方法
森絵都さん原作の『カラフル』のアニメ版を観ました。
原作は以前に読んだ気もするのですがよく覚えていません。
アニメ版を観た私がどうしても気になったのは次の2点。
1.自殺した人間にやり直しのチャンスが与えられるという自殺者に微かにでも希望を抱かせかねないところ
2.中学生が物欲のために援助交際をすることを人が持つ多様な面の一つとして肯定的に描いていること
声優に宮崎あおいさんを起用するなど話題にもなりましたが、
ネットで感想を調べてみると同じような不満を抱いている人が多いことに気づきました。
1.小林真をはじめとするキャラクターの作画がイマイチ
2.小林真のガイド役の天使プラプラが関西弁
3.中学生の桑原ひろかが高価な物を買うお金欲しさに援助交際をしていることをそれも多様性の一つとして肯定しているようにとれる。
ごたくはいいからスッキリしたいという人はサクッと
Amazonでプライムの実写版カラフルHOMESTAY (ホームステイ)を観てください。
アニメのキャラの作画はある意味ではリアルで普通にいる中学生を描いたようではあるけど
高校生の兄小林満なんかは見ようによってはおっさんにも見えてしまう。
プラプラが関西弁なのは理解不能ですが、もしかしたら全体的に暗いトーンの作品なので軽みをだそうとしたのかもしれません
もしそうだとすると関西弁を道具に使っているようであまりいい気分はしませんね。
自殺した人にやり直しのチャンスが与えられるか?
私はスピリチュアル系、宗教書をそれなりに読んでいますが、
自殺した人がやり直しのチャンスを与えられるというような記述にであった記憶がありません。
こういう設定は古くは洋画の『素晴らしき哉、人生』
などにもみられますが、じっさいにはそのようなことはないと思います。
事実はまったくの逆で自殺した魂はよくても地獄。
悪ければ自分が死んだことすら気づくことができず
地縛霊となり自殺を考えている人に取り憑いてその人を自殺に追い込んだりしているようです。
自殺した本人が自分が死んだことに気づき本来の寿命が来るまでは苦しみから逃れることはできないというのが真相。
援助交際を人の多様性として認めるか
私は悪いことは悪いというべきだと思います。
援助交際や最近流行りのパパ活をしている人が良心の呵責に苦しむときと、
ブランド物やホストクラブで偽恋でチヤホヤされたい自分の間で揺れ動くことを人の多面性とするのは当然ですが、
この作品では中学生の援助交際ですからそれは絶対ダメでしょう。
桑原ひろかは「周に3回はやりたくなるときもある」と言っていました。
これはお金が欲しくてそう思うのか、性欲でそうなるのか判断できませんでしたが、
後者だとすると中学生にしてインフォマニアです。
インフォマニアもパパ活も残念ながら自殺した人と同じく
死後は地獄に行くことがスピリチュアルの世界や宗教でも言われています。
イスラム教なら死後を待つまでもなく死刑です。
キリスト教ではたしか通常の埋葬もしてもらえなかったのではないでしょうか。
今もそうなるのかはわかりませんが・・・。
カラフルアニメ版のあらすじ
一度死んだ「ぼく」が、死後の世界で天使プラプラに「抽選にあたりました!」と言われ、
「小林真」という中学生として生まれ変わりもう一度人生をやり直すチャンスを与えられる。
意識を取り戻した真はプラプラの付き添いで小林家で生活をはじめる。
家族や佐野唱子のクラスメイトは真の違和感を持つがプラプラのアドバイスをうけながら日常生活に戻っていく。
ある日、父親は真を渓流釣りに連れ出し母親のことについて話す。
母親は同居する姑とうまくいかず、精神を病み姑が亡くなったあとも薬を処方されていた。
真はその薬で自殺を図ったのだという。
生まれ変わりの残り時間が少なくなるなか真は自分が自殺した真本人の魂だと思い出す。
人生をやり直すチャンスを無事掴んだ真は新しくできた友人や家族と生きる決意をする。
Amazonでプライムのカラフル実写版 ホームステイ
Amazonでプライムのカラフル実写版のホームステイは出演している役者もよく、
援助交際が真の憧れの先輩の同性愛という問題に変更されています。
その他にも違う点がありますがプラプラが最後にいうセリフは人生の真実を現しています。
「残りの人生も長いホームステイのようなものだ」
そう。
人は苦しみがあるのを事前に知った上でホームステイや修学旅行のように経験を積むために生まれて来ます。
そのような人生の真理がアニメ版より明確に提示されているのは、
クリエイティブプロデューサーの三木孝浩さんの影響かと思っています。
カラフルを観るならアニメ版ではなくAmazonでプライムの実写版が絶対におすすめです。
⇒HOMESTAY (ホームステイ)